日本伝統の発酵調味料の一つである塩麹。
お肉の下味に使うと肉質がふっくらとした仕上がりになることで有名ですが、からだにもうれしい栄養機能がたくさん!
塩麹の魅力と、日々の腸活にとり入れやすいポイントをお伝えいたします。
万能調味料、塩麹のチカラとは
塩麹とは、麹菌によって発酵させた米麹に、食塩と水を合わせてさらに発酵させた調味料です。
麹菌は日本の風土が育んだ財産として、2006年に日本の「国菌」として認定されています。
平安時代には麹菌を専門に販売する商店がいたというほど、古くから重宝されている存在なのです。
塩麹は発酵の過程でたくさんの酵素を生み出し、これらの酵素には調理面や栄養面でうれしい効能があるのです。
料理をおいしくするチカラ
食材が持つうまみを引き出す
食材を塩麹で調味すると、食材のたんぱく質がアミノ酸へと分解されてうまみ成分が生み出されます。
このうまみ成分のおかげで塩分の添加が低くても「おいしい」と感じやすくなり、結果的に減塩の効果も期待できます。
自然な甘みが出る
塩麹自体も米由来のほんのりとした甘みがあります。
発酵の過程を経ることで食材に含まれるでんぷんがブドウ糖に分解され、自然な甘みが生み出されます。
食材をやわらかくする
たとえば、加熱するとパサつきがちな鶏むね肉。
塩麹で漬け込んでから焼くと、やわらかくしっとりと仕上がりますよね。
これは、たんぱく質が消化酵素によって分解が進み、肉質がやわらかくなるためです。
また、発酵によって生成された糖には保水効果があり、食材の水分を閉じ込めてしっとりさせることができます。
からだにうれしい効能
代謝アップに貢献
塩麹には体の代謝機能をサポートするビタミンB群が豊富です。
ビタミンB1はエネルギー代謝に関わり、糖質をエネルギーへと変換する助けをします。
ビタミンB2、B6 はたんぱく質の代謝に関わり、健やかな肌や髪づくりに欠かせない存在です。
美容にうれしい抗酸化作用
麹菌には老化や体の不調の一因である「活性酸素」を除去してくれる抗酸化物質が含まれています。
中でもコウジ酸はシミの原因になるメラニン色素の過剰な生成を抑制するはたらきが認められ、化粧品にも応用されている美白成分です。
腸内環境を整える
発酵調味料である塩麹は、腸内に有用にはたらく菌を持っており、整腸作用が期待できます。
麹菌が生成する酸性プロテアーゼという成分が、腸内の善玉菌を増やしてくれるという研究報告もあります。
また、消化の過程で死んでしまった麹菌自体も善玉菌のエサとなり、善玉菌を元気にするサポート役として活躍してくれます。
腸内環境を整える「腸活」には、健康と美容へのメリットがたくさん!
日常の食事でも腸活を取り入れることができます。
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お肉の漬け込みだけじゃもったいない!腸活にも役立つ塩麹の活用方法
塩麹は塩味を添加する調味料ですので、腸活に役立つからといって大量摂取は塩分過多になりますので注意しましょう。
日常的に食塩の代用品として、適量をとり入れることがおすすめです。
塩麹の使い方としてお肉やお魚の下味に使うことが定番ですが、他にも活用方法はさまざま。
ここでは野菜と塩麹の組み合わせで、日常の食事で取り入れる方法をご紹介いたします。
野菜✕塩麹の組み合わせで腸内環境を整える
塩麹と食物繊維を組み合わせるメリット
善玉菌に好物(プレバイオティクス)のひとつとして食物繊維があげられます。
整腸作用を期待する方はたっぷりの野菜やきのこ、海藻類など食物繊維が豊富な食材と塩麹を組み合わせて食べることがおすすめです。
おすすめの使い方①:野菜の浅漬けの素、和え衣として
塩麹を調理に使う場合、食材と塩麹の比率は10:1が目安です。
きゅうりや白菜などお好みの野菜と塩麹を一緒に漬け込むだけで手軽に浅漬が作れちゃいます。
ざく切りしたトマトに和えたり、茹でたブロッコリーに和えたりと、塩麹は和え衣としても大活躍。
塩麹ならではの、角の取れた塩気と甘みがおいしい副菜が簡単にできあがります。
お酢や柑橘果汁などの酸味を加えたり、お好みのスパイスなどと組み合わせたりすると、レパートリーも広がりますよ。
おすすめの使い方②:サラダのドレッシングとして
塩麹とお酢を1:1の比率で混ぜるだけ!
塩麹のうまみが効いたドレッシングができあがります。
洋風であればリンゴ酢、中華風であれば黒酢、というようにお酢で簡単にテイストを変えられます。
お酢も発酵調味料です。
発酵調味料ダブル使いでさらに腸活を促進してくれそうなドレッシングでサラダを楽しむことができます。
オリーブオイルや亜麻仁油など、お好みのオイルを混ぜるのもおすすめです。
RICO NICO の 発酵 Deli 九州産鶏むね肉のロースト塩麹入りラタトゥイユ添え は腸活にフォーカスし、塩麹とたっぷりの野菜(食物繊維)を組み合わせてつくっています。
塩麹で仕込んだ、ふっくらとしたローストチキンと共に1/3日分(120g)の野菜をとることができますよ!
塩麹を活用して普段の食事から腸活しよう!
塩麹は発酵食品ならではのおいしさや栄養機能が魅力です。
調味料として同じ塩味をつけるなら、栄養機能が高い方がうれしいですよね!
いつも食塩を塩麹に代えてみて、日常の食卓から腸活をしてみてはいかがでしょうか?
参考文献
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斎藤勝裕(2019年)『「発酵」のことが一冊でまるごとわかる』ベレ出版
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独立行政法人国民生活センター 『塩麹は調味料として有効〜糖や遊離グルタミン酸量等テスト〜』 (参照:2022年1月25日)
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広島大学大学院生物圏科学研究科 『米麹菌の酸性プロテアーゼを食べると腸内善玉菌が増加』 (参照:2022年1月25日)